糖尿病筋芽細胞の分化における筋形成型オリゴ DNA の作用

糖尿病筋芽細胞の分化における筋形成型オリゴ DNA の作用

中村駿一1, 米倉真一2, 下里剛士2, 高谷智英2.

  1. 信州大学大学院総合理工学研究科.
  2. 信州大学バイオメディカル研究所.

第4回国際心血管薬物療法学会日本部会学術集会 (東京), 2019/06/08 (ポスター).

Abstract

糖尿病患者が併発する筋萎縮の一因として、糖濃度異常による骨格筋芽細胞の分化能の減弱が考えられる。我々はこれまで、高濃度グルコースへの暴露が、ヒト筋芽細胞の分化を悪化させることを明らかにしてきた。本研究では、我々が同定した筋形成型オリゴ DNA「myoDN」が、糖尿病患者の筋芽細胞の分化を改善するか検討した。健常者と糖尿病患者の筋芽細胞を、myoDN を添加した分化培地で培養し、筋分化を誘導した。2日後に骨格筋マ-カーであるミオシン重鎖を免疫染色し、筋分化を定量した。myoDN 非添加群では、健常者と比べ、糖尿病患者の筋芽細胞のミオシン陽性率は顕著に低下していた。myoDN 添加群では、健常者と糖尿病患者の筋芽細胞の両方において、非添加群と比較してミオシン陽性率が有意に上昇していた。以上から、myoDN は糖尿病で悪化する筋芽細胞の分化を改善することが示された。myoDN は、糖尿病性筋萎縮の予防や治療に有用な分子であると期待される。