筋形成型オリゴ DNA は多能性幹細胞の分化ステージに依存して心筋分化を誘導または阻害する

筋形成型オリゴ DNA は多能性幹細胞の分化ステージに依存して心筋分化を誘導または阻害する

石岡美奈1, 二橋佑磨2 鏡味裕1, 下里剛士3, 高谷智英3.

  1. 信州大学大学院総合理工学研究科.
  2. 信州大学大学院総合医理工学研究科.
  3. 信州大学バイオメディカル研究所.

第4回国際心血管薬物療法学会日本部会学術集会 (東京), 2019/06/08 (ポスター).

Abstract

【背景】我々は最近、筋芽細胞の分化を強力に促進するオリゴ DNA「myoDN」を見出した。本研究では、多能性幹細胞の分化における myoDN の作用を検討した。

【方法】未分化なマウス ES 細胞株 hCGp7 (Nkx2-5-GFP) をゼラチンコートディッシュに播種し、10% FBS/5% HS/DMEM で自発的な細胞分化を誘導した。Day 3 以降に myoDN を投与し、細胞の分化を継時的に観察した。

【結果】Day 5 から myoDN を投与した hCGp7 では、day 8 に Nkx2-5-GFP 陽性の拍動コロニーが出現したことから、myoDN は ES 細胞の心筋分化を誘導することが示された。myoDN の投与開始日を day 3-7 の間で比較した結果、day 4 または 5 から myoDN を投与した群では、対照群よりも早期に心筋が出現した。一方、day 3 から myoDN を投与した群では心筋コロニーが全く出現せず、心筋分化が完全に阻害された。以上の結果から、myoDN は投与開始時期に依存的して、マウス多能性幹細胞の心筋分化を誘導または抑制することがわかった。