ニワトリ受精卵・ニワトリ胚の新たな利用法の開拓

ニワトリ受精卵・ニワトリ胚の新たな利用法の開拓

鏡味裕1,2,3,4, 佐藤彩水1, 小野珠乙1, 兼子香代子1, 高谷智英3.

  1. 信州大学農学部.
  2. 信州大学大学院総合理工学研究科.
  3. 信州大学バイオメディカル研究所.
  4. 日本学術振興会.

日本畜産学会第123回大会 (伊那), 2017/09/07 (口演).

Abstract

【目的】ニワトリの卵は優れた栄養価を持ち、国民食の一つとして消費されている。しかし国内での需給は安定し、食資源に加えて新たな利用法の開拓が切望されている。そこで発生工学的技術を活用し、ニワトリ受精卵・ニワトリ胚の新規利用法開拓を目的として研究を行った。

【材料及び方法】ニワトリ胚を哺乳動物の組織再生の場として活用を試みた。マウス ES 細胞をドナーとした。ニワトリ受精卵 (胚盤葉) をレシピエントとした。ドナー (マウス ES 細胞) をレシピエント (ニワトリ胚盤葉) に移植後、全胚培養を行った。ニワトリ胚にアクチビン処理して特定の臓器再生を試みた。アクチビン処理した胚では心臓など特定臓器が効率的に再生され得ることが確認された。これらの結果からニワトリ受精卵やニワトリ胚は哺乳類の臓器再生の場 (バイオリアクター) として極めて有用であろうと思われた。

【文献】Kagami, H. (2016) Animal Science Journal. Proceedings of JTISAB, edit Kagami, H. (2017) in press.