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筋芽細胞の培養
筋萎縮の遠因の一つとして筋芽細胞の機能低下が指摘されており、筋芽細胞の分化 (筋分化) を促進する分子は筋萎縮の予防・治療に有効であると考えられています。私たちは、マウス (下図写真)、ヒト、ニワトリの骨格筋から採取した筋芽細胞を用いて研究を行っています。初代培養した筋芽細胞は、生体内での現象をよく反映しています。また、遺伝子改変マウスの筋芽細胞は、筋疾患のモデルとしても有用です。単核の筋芽細胞を分化誘導すると、多核の筋管が得られます (Motohashi 2014, Takaya 2017)。私たちは、筋芽細胞の培養系を駆使して、筋分化を促進する分子を探索 (スクリーニング) しています。
筋芽細胞のスクリーニング系
私たちは、筋芽細胞の分化を高い効率で定量できる in vitro のスクリーニング系を確立しました。96穴プレートに播種したマウス筋芽細胞に、様残な分子や成分を添加し、筋分化を誘導します。その後、骨格筋の分化マーカーであるミオシン重鎖 (myosin heavy chain; MHC) の免疫染色を行い、MHC 陽性細胞の割合を自動的に計測します。MHC 陽性細胞率を高める分子や成分 (下図緑枠) は、筋分化を促進する作用を持つと考えられます。私たちはこのシステムによって、筋形成型オリゴ DNA (myogenetic oligodeoxynucleotide; myoDN) (Shinji 2021) の同定に成功しました。以下のページで研究内容を詳しく紹介しています。
参考文献
Motohashi N, Asakura Y, Asakura A. Isolation, culture, and transplantation of muscle satellite cells. J Vis Exp. 2014; 86: doi: 10.3791/50846.
Shinji S, Umezawa K, Nihashi Y, Nakamura S, Shimosato T, Takaya T*. Identification of the myogenetic oligodeoxynucleotides (myoDNs) that promote differentiation of skeletal muscle myoblasts by targeting nucleolin. Front Cell Dev Biol. 2021; 8: 616706.
Takaya T*, Nihashi Y, Kojima S, Ono T, Kagami H. Autonomous xenogenic cell fusion of murine and chick skeletal muscle myoblasts. Anim Sci J. 2017; 88: 1880-1885.