AART を用いた体外培養胚の効率的産出

AART を用いた体外培養胚の効率的産出

佐藤彩水, 楠戸智也, 小野珠乙, 高谷智英, 鏡味裕.

信州大学農学部.

日本畜産学会第124回大会 (東京), 2018/03/29 (口演).

Abstract

【目的】発生工学による鳥類キメラの作出や家禽育種への貢献が期待されているキメラ作出において、操作胚の多くは孵化直前の数日の間に死籠することが確認されている。よって孵卵の過程を人為的に補助し、体外培養・キメラ胚の孵化率向上を目的とした。

【方法】体外培養群においては白色レグホン受精卵、横斑プリマスロックを用いた。これらの操作胚を体外培養した。孵化直前の操作胚のうち、自律的に孵化することが困難と判断された場合に、人為的に補助により雛の孵化を試みた。

【結果及び考察】白色レグホン、横斑プリマスロックの実験群の体外培養胚を操作、培養した。孵化直前の胚齢 20日目まで生き残った8個体のうち4個体は嘴を漿尿膜の外にある空気へ出すことができず、肺呼吸に切り替わる前に死亡した。残った4個体は、嘴が膜のすぐ下まで上がってきていたため、人為的処理により膜を破って嘴を空気に触れさせ、肺呼吸に切り替えさせた。数時間たち、膜に張り巡らされている血管がまだ残っているが個体が弱ってきて、多くの個体がこの時点で死亡するため、4個体とも人為的に卵殻を除去し3個体が生き残った。本結果から、これまで自律的孵化が困難であった胚を孵化させることに成功した。本方法の一層の改善により、キメラニワトリや体外培養ニワトリの生存率向上が期待される。