メタボリック症候群と心血管疾患 / Metabolic syndrome and cardiovascular diseases

目次 / Index

日本人の死因

日本人の死因の第1位はがん (27.4%) ですが、第2位の心疾患 (15.3%) と第4位の脳血管疾患 (7.9%) を合わせた心血管疾患も 23.2% を占めます。直接の死因である心筋梗塞や脳梗塞は、血管が詰まって血流が遮断されることで生じます。その原因の多くは動脈硬化です。動脈硬化は若年齢から徐々に進行しますが、個人差があります。中でも、死の四重奏と呼ばれる肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧を代表とする生活習慣病は、動脈硬化症の重大な危険因子です。生活習慣病の予防は、動脈硬化の進展を抑え、心血管疾患の発症リスクを低減させるために重要です。

死因 割合
がん 27.4%
心疾患 15.3%
老衰 8.0%
脳血管疾患 7.9%
肺炎 6.9%
不慮の事故 3.0%
その他 31.3%

(厚生労働省「平成30年人口動態統計月報年計」)

メタボリック症候群 / Metabolic syndrome

メタボリック症候群は、肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧などの危険因子を複数同時に有している状態を指し、心血管疾患を発症するリスクが極めて高くなります。日本では、メタボリック症候群の診断が以下のように定められています。肥満が必須項目となっているのは、肥満自体が高血糖などの危険因子でもあるからです。肥満の抑制は、メタボリック症候群と心血管疾患を予防する上で最も重要な課題の一つです。

必須項目 肥満
(内臓脂肪蓄積)
ウエスト周囲径 女性 90 cm 以上
男性 85 cm 以上
選択項目

3項目中、
2項目以上
脂質異常症
1項目以上
高トリグリセリド血症
低 HDL コレステロール血症
150 mg/dL 以上
40 mg/dL 未満
高血圧
1項目以上
収縮期 (最大) 血圧
拡張期 (最小) 血圧
130 mmHg 以上
85 mmHg 以上
高血糖 空腹時血糖 110 mg/dL 以上

研究内容 / Research topics

私たちは、メタボリック症候群と心血管疾患の予防・治療法の開発を目指して研究を行っています。以下のページで研究内容を詳しく紹介しています。

動脈硬化 / Arteriosclerosis

心疾患 / Heart diseases

参考文献 / References

メタボリックシンドローム診断基準検討委員会. メタボリックシンドロームの定義と診断基準. 日本内科学会雑誌. 2005; 94: 188-203.