タンパク質の濃度測定: BCA 法

Introduction

BCA 法は、タンパク質溶液の濃度を比色定量する測定法である。タンパク質のペプチド結合によって、Cu2+ が Cu+ に還元される。Cu+ が BCA (bicinchoninic acid; ビシンコニン酸) に配位すると、562 nm の波長を吸収する青紫色の錯体を形成する。濃度がわかっている標準 BSA 溶液の吸光度から検量線を求め、測定したサンプルのタンパク質濃度を計算する。

Materials

Protocol

BCA 反応

  1. BCA reagent A と B を 100: 1 で混合する (50 ul/sample)。
  2. 50 ul/well の混合した BCA reagent を 96-well plate に加える。
  3. 5 ul/well の BSA およびサンプル溶液を加え、ピペッティングする。
  4. インキュベーション, 37°C, 30 min。
    タンパク質濃度が高い well が青紫色になる。サンプルの発色を見て時間を調節する。

微量分光光度計による濃度測定

  1. 微量分光光度計 (タンパク質用) の電源を入れる。
  2. サンプルをアプライするプラスチックプレートを確認し、汚れ・傷などがあれば交換する。
  3. 「1. Start Measurement」を選択する。
  4. 「BCA Assay (562 nm)」を選択する。
  5. 注意が表示されるので次に進む。
  6. 「Blank」を選択する。
  7. 0 ug/ul の BSA 溶液 2 ul を測定部位にアプライし、↵ を押して測定する。
  8. Blank が測定できたら、ペーパーワイプで測定部位を拭き取る。
  9. 31.25 ug/ul の BSA 溶液 2 ul をアプライする。
  10. 「Samples (BCA)」を選択して測定する。
  11. ペーパーワイプで測定部位を拭き取る。
  12. BSA 溶液とサンプルの数だけ、9〜11 を繰り返す。
  13. 測定が終了したら、「Save & Exit」、「Save」の順に選択する。
  14. 「2. Show & Print Results」を選択する。
  15. 保存したデータ「Data_0X YYMMDD HHMM RNA」を選択する。
  16. 「Select All」を選択する。全てのサンプルにチェックマークが付く。
  17. 「Print」を選択すると印刷が始まる。
    印刷されたシートに、BSA 溶液やサンプル名などを記入し、実験ノートに貼付する。
  18. 「Data Menu」、「Exit to Main Menu」の順に選択する。
  19. メインメニューの画面で電源ボタンを押し、「Yes」を選択して電源を切る。

検量線の作成と濃度計算

下記 Excel ファイルを用いて検量線の作成と濃度計算を行う。

  1. 各 BSA 溶液の吸光度を入力する。
  2. グラフに検量線が引かれ、検量線の方程式が表示される。
  3. 方程式の傾きと切片を入力する。
  4. サンプル名を入力し、各サンプルの吸光度を入力する。
  5. 計算された各サンプルのタンパク質濃度が表示される。
  6. 計算結果を印刷し、実験ノートに貼付する。