注意事項
- RNA の実験前には必ず、手袋を着用し、実験台を RNase Quiet で拭く。
- 実験を教えるなど、話しながら RNA を操作する場合は、マスクを着用する。
NucleoSpin RNA Plus による RNA の抽出は、Trizol で抽出する場合と比較し、より純度の高い RNA が精製できるが、回収効率は落ちる。RNA-seq など RNA のクオリティが要求される実験には NucleoSpin を用いる。また、オリゴ DNA を投与した細胞にも NucleoSpin を用いる。これらに該当せず、かつ細胞数が少ない場合は Trizol を用いる (細胞数が多い場合はどちらでも良い)。
Plotocol: 接着培養した細胞の場合
- PBS(-) で wash, 2回。
- 350 ul の LBP を加えて細胞を溶解する。
RT, 2-3 min 静置で細胞が溶解する。ES 細胞など多数の細胞が密集している場合はピペッティングでの溶解が必要。 - gDNA カラム (黄リング, ゲノム除去用) をコレクションチューブ (2 ml, フタなし) にセットする。
- 2 の細胞溶解液を gDNA カラムに加える。遠心, 11000 g, 4°C, 1 min。
ゲノム DNA は gDNA カラムに吸着し、RNA はろ液としてコレクションチューブに落ちる。 - gDNA カラムを廃棄する。
- 100 ul の BS をろ液 (RNA) に加え、ピペッティングで混合する。
- 6 の溶液を RNA カラム (青リング, RNA 吸着用) に加え、溶液が完全に落ちるまで待つ。
10 min ほど待っても落ちない場合は次のステップに移る。
カラムに空気が含まれると上手く落ちないので、溶液を入れる際に気泡が入らないように注意する。
気泡が入ってしまった場合は、チビタンで一瞬だけ遠心する。 - 遠心, 11000 g, 4°C, 1 min。
RNA は RNA カラムに吸着し、ろ液には含まれない。 - ろ液を捨て、再度 RNA カラムを同じコレクションチューブにセットする。
- 200 ul の WB1 を RNA カラムに加える。遠心, 11000 g, 4°C, 1 min。
- ろ液を捨て、再度 RNA カラムを同じコレクションチューブにセットする。
- 600 ul の WB2 を RNA カラムに加える。遠心, 11000 g, 4°C, 1 min。
- ろ液を捨て、再度 RNA カラムを同じコレクションチューブにセットする。
- 250 ul の WB2 を RNA カラムに加える。遠心, 11000 g, 4°C, 2 min。
- RNA カラムを新しいチューブ (フタなし) にセットする。
チューブのフタがあると、次のステップで遠心したときに、遠心機の中でフタが破損する。 - 10-15 ul の RNase-free H2O を RNA カラムに加え、1 min 待つ。遠心, 11000 g, 4°C, 1 min。
カラムに吸着した RNA が H2O に溶出される。 - ろ液を RNA 溶液とし、新しいチューブ (フタあり) に移す。RNA カラムは廃棄する。
- 微量分光光度計で RNA の濃度を測定する。
- -80°C 保存。