EdU 染色

Introduction

チミジンの類縁体である EdU (5-ethynil-2'-deoxyuridine; 5-エチニル-2'-デオキシウリジン) は DNA に取り込まれるため、EdU 存在下でゲノム DNA を合成した (分裂増殖した) 細胞の核を EdU で標識することができる。

Materials

Protocol: 3 cm dish

EdU 処理

  1. EdU stock を培養液で 1/100 に希釈し、100 uM EdU 溶液を調製する。
  2. 培養中の培養液に 1/10 量の EdU 溶液 (最終希釈率 1/1000, 終濃度 10 uM) を加える。
    細胞の増殖速度が変わるので、培地交換はしない。
  3. CO2 インキュベーション, 37°C, 1-6 h。
    マウス筋芽細胞は 3 h で 20-30% の細胞が EdU 陽性、
    ニワトリ筋芽細胞は 3 h で 30% (卵用鶏) - 50% (肉用鶏) が EdU 陽性 (Nihashi 2019)。

EdU 染色

  1. 1 ml の PBS(-) で wash, 2回。
  2. 1 ml の 2% PFA を加えて固定する。RT, 5 min。
  3. 1 ml の 0.01% Triton で wash, 2回。
    0.01% Triton に浸した状態で、4°C で保存可能。
  4. 1 ml の 0.2% Triton を加えて透過処理 (細胞膜に孔を開ける)。RT, 5 min。
  5. 1 ml の 0.01% Triton で wash, 1回。
  6. 細胞が 0.01% Triton に浸かっている状態で、以下の EdU 染色液を調製する。
    各反応成分は、必ず表の順番で加え、加えるごとによく撹拌する。
Total 500 ul 1000 ul 1500 ul 2000 ul
1× Click-iT reaction buf 430 ul 860 ul 1290 ul 1720 ul
CuSO4 20 ul 40 ul 60 ul 80 ul
Alexa Fluor 1.2 ul 2.4 ul 3.6 ul 4.8 ul
10× reaction buf additive 50 ul 100 ul 150 ul 200 ul
  1. 0.01% Triton を除去し、PAP ペンで dish の外周をマスクする。
  2. 200 ul の EdU 染色液を加える。
  3. アルミホイルで遮光してインキュベーション, RT, 30 min。
  4. 200 ul の 0.01% Triton で wash, 2回。
  5. 200 ul の DAPI を加える。
  6. インキュベーション, RT, 5 min。
  7. DAPI を除去し、マウンティングメディウムを 1-2 滴垂らす。
  8. カバーガラスで封入する。
  9. 顕微鏡で観察・撮影する。

Examples

EdU staining
Fig 1. EdU / DAPI

References

Nihashi Y, Umezawa K, Shinji S, Hamaguchi Y, Kobayashi H, Kono T, Ono T, Kagami H, Takaya T*. Distinct cell proliferation, myogenic differentiation, and gene expression in skeletal muscle myoblasts of layer and broiler chickens. Sci Rep. 2019; 9: 16527.